昨日の続きです。
昨日の記事:化学式(構造式)の書き方(1)はこちら
基本ルールは2つでした。
1. 直線(の折れ曲がり)で炭素(C)を表す
2. 水素(H)は省略
今日は応用編。
この書き方で色々な化合物を表すことができますよー、というご紹介。
例えば、二重結合がある化合物は・・・
単純に直線が二本になっています。
細かく書くと右のようにCとHをたくさん書かなければならない化合物が、左のようにシンプルになります。
次に、「亀の甲」でお馴染み、なぜか嫌われ者のベンゼン君。
ベンゼン環=炭素(C)が6個つながって輪になっている構造なのですが、左側に書いた3種類の書き方があります。どれも使われます。
高校かな?で習うのは、真ん中に書かれた二重結合(=)と単結合(−)が交互につながった形で、これを素直に基本ルール通りに書くと、左から1つめか2つめになります。
じゃあ、六角形の中に○が書かれているのは?
現在知られているベンゼン環の構造を表すには、こちらの方がより適していると考えられているからです。
ベンゼン環では、二重結合と単結合にきれいに分かれておらず、6個の炭素全体にふわっと繋がった形をしていることがわかっています。←かなり省略した書き方をしているので、詳細が知りたい場合は専門書を読んで下さい
2回にわたって化学式の話をしてきましたが、覚えてくださいー、ということが言いたいわけではありません。
どうもこの形というか、見た目がそもそもナンジャコレ感があるみたいで、翻訳学校で講師をしていたときも、あーこれ無理!!嫌だ!!と言われることがよくありまして。
そんなに嫌がらんといて下さい、って話です。
物に形があるように、化合物にも形があります(小さすぎて目に見えませんが)。ただその形を示しているだけなんですよ。
そうなんだふーん、と思ってもらえれば十分で、何か難しいものを示しているとか、そこから謎を解明しなければならないとか、そういうものではありません。