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[006] サントリー「−196℃ストロングゼロ」特許 まとめ

先日ご紹介した、サントリー「−196℃ストロングゼロ」の特許

簡単に内容をまとめてみます。

特許4892348号
発明の名称:アルコール浸漬物またはそれを用いた食品もしくは飲料およびその製造方法

特許請求の範囲もそれほど難しくないのでご紹介すると、

【請求項1】
(a)原料果実および/または野菜の一種以上を凍結し;
(b)凍結物を平均粒径が1μm〜100μmとなるよう微粉砕し;
(c)微粉砕物をそのまままたは解凍してペースト状にしてから、15%〜100%のアルコールに浸漬して浸漬液を得て;そして
(d)浸漬液を添加する
工程を含む、食品または飲料の製造方法。

ざっくり簡単にいうと、

ステップ1:漬け込むフルーツを凍らせ、
ステップ2:凍ったフルーツを細かく砕き、
ステップ3:砕いたものを凍ったまま、または解凍してから、漬け込み酒に漬け込み、
ステップ4:漬け込み酒を食品または飲料に加える

という工程で食品または飲料を作る方法、ですね。

知財入門講座などで講義をするときは、食品系などの特許は、レシピが書いてあると考えればわかりやすいですよとお伝えしています。
今回の特許は、果実酒などを漬けた経験がある人はわかりやすいのではないでしょうか。

例えば、梅酒を漬けるとき、通常は、青い梅をお酒に漬けます。
ただし、出来上がるのに半年以上かかるので、時間短縮したい場合には、梅をいったん冷凍庫で凍らせてから漬けるという手法があります。
この手法を使えば、梅のエキスが出やすくなり、短時間で梅酒を完成させることができます。

今回の発明は、「果実の香味をそのまま有し、従来以上に香味の良い(=つまり、生のフルーツそのままのような味と香りの)」お酒を作ること、にあります。

例えば、手作りの果実酒だと、梅やレモンなど生で食べるには少し酸っぱすぎるような果実は美味しく仕上がりますが、桃、ミカン、リンゴなど生で食べて美味しい果実で果実酒を作ると、なんとなく味がぼやけてしまったり、生の果実とは異なる(が美味しい)味の酒ができたりします。

私も梅酒作りを趣味にしているので、生のフルーツをかじったようなお酒を作るのはなかなか難しいなと個人的には思います。

興味があったら、元の明細書も読んでみて下さい。
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