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[012] きき湯の特許まとめ

「きき湯」の特許のまとめページです。
きき湯に関する簡単な説明はこちら

<きき湯に関する特許情報>

特許番号4014546号

特許権者 ツムラ ライフサイエンス株式会社

発明の名称 固形浴用剤組成物


特許請求の範囲は、以下のようになっています(見やすいように適宜改行を入れました)。

 

【請求項1】

 有機酸と炭酸塩を含有する固形浴用剤組成物であって、
有機酸としてリンゴ酸とフマル酸との混合物を用い、
かつ組成物全体のリンゴ酸の含有量が20〜40質量%、フマル酸の含有量が2〜10質量%、炭酸塩の含有量が20〜60質量%であり、
ブリケットであることを特徴とする固形浴用剤組成物。


ちなみに、請求項2は、

【請求項2】
 リンゴ酸とフマル酸の混合割合が、20:1ないし2:1である請求項第1項記載の固形浴用剤組成物。


つまり、リンゴ酸とフマル酸を一緒に用いることと、その比率をうまく調整することが重要なようです。リンゴ酸が多い方が良い効果が出るということのようですね。

特許明細書には、【背景技術】という項目があります。
ここを読めば、当時どんなことが問題になっていたのか、今回の発明がどんな問題を解決したのかわかるようになっています。

背景技術には、このようなことが書かれています。
従来より、有機酸と炭酸塩を配合した固形浴用剤組成物(以下、「固形浴用剤」という)は、炭酸ガスによる温浴効果、発泡による入浴の楽しみを提案できるものとして知られており、各種の製品が作られている。
従来技術の問題点

  1.  有機酸として「フマル酸」は従来から使われていたが、お風呂に入れると、溶け残りが発生しやすいという問題があった
  2.  「リンゴ酸」は、しっとりとした入浴感が得られるというメリットもあるが、成形性が良好ではないという問題があった
解決策

「フマル酸」と「リンゴ酸」を適切な割合で混ぜ合わせて使用することにより、上の問題点を解消することができた。

つまり、
【発明の効果】本発明の固形浴用剤は、成形性に優れ、しっとりとした使用感を有し、浴場表面状態も良好である。
となるわけです。

単独成分では、メリットもあるがデメリットが多かったという問題があって、複数の成分をうまく組み合わせることにより、デメリットをうまく解消し、メリットのみを残すという考え方ですね。

化学分野の特許では、特許請求の範囲に数値が記載されることがよくありますが、比率を変えると効果が変わってくることがよくある、というのが化学分野に非常に特徴的と言えます。
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